fx-onで販売されている「ダブル・エレメント・システム(W Element System)」について、実際に利用してトレードしてみました。そのトレード検証から見えた感想まで。
トレードで勝ち切るために必要となるトレードのルール化が容易であり、トレードルール確立に至っていないトレーダーが活用すると、勝ち切るトレーダーになるための大きな一歩を踏み出すことができます。
ただし、インジやシステムだけで勝てるようになれるかと言えば、それは別問題。そんな甘い考えだと、いつものように(?)無駄なお金を投じることになります。
チャートが特殊なため、若干使うのに慣れを要するダブル・エレメント・システムですが、トレードのルール化が容易であり、十分使いこなす価値のあるツールと考えます。
→Wエレメントシステムは2019年5月末日で販売を終了しました!
概要
ダブル・エレメント・システム(W Element System)とは
fx-onにてダブル・エレメント・システムの(W Element System)というインディケーターの販売が開始されました。
インジと言うよりチャートシステム、と言った方が正確な本システム、面白いのですがオリジナルなチャート故、クセがあります。
ダブル・エレメント・システムのチャートは一言でいえば、ボラティリティチャートです。相場が動けばチャートが動く、相場が動かなければいくら時間が経過しようとも、チャートは動かない。
ここ最近、紹介しているトレードに取り入れているポイント・アンド・フィギュア(P&F)もボラティリティチャートですが、ダブル・エレメント・システムとP&Fは親戚関係にあります。P&Fは無料で利用できますが・・・。
関連記事:使って分かったポイントアンドフィギュア(P&F)チャートのメリットとデメリット
ダブル・エレメント・システム及びP&Fいずれも、“相場が動かないとチャートが動かない”、と覚えておけば捉え方かとしては間違いありません。
・独特の形状をしているダブル・エレメント・システムのチャート
ダブル・エレメント・システムのメリット
ダブル・エレメント・システムのメリットとしては、
①相場の方向性が分かり目線を固定できる
②トレードしてはいけない部分が明確
③損切が明確
という点をあげることができます。
①相場の方向性が分かり目線を固定できる
ダブル・エレメント・システムの一番のメリットは、“トレードの目線を固定できる”、という点です。ダブル・エレメント・システムで相場を見ると、相場の方向性が非常にキレイに見えます。
ダブル・エレメント・システムは順張りのシステムであり、素直にチャートの示す方に順張りでエントリーすれば、大きな間違いはなくなります。
現在の相場の方向性が上か下か、目線が固定できないと、右往左往して往復ビンタされることになります。ダブル・エレメント・システムは相場の方向性が分かり易く目線を固定できるため、往復ビンタリスクは非常に少なくなると言えるでしょう。
②トレードしてはいけない部分が明確
管理人がダブル・エレメント・システムで一番気に入っているのは、トレードしてはいけない部分が明確、という部分。
書いたままなのですが、ダブル・エレメント・システムはエントリー不可、の部分が表示されます。簡単に言えば、トレンド転換時の第一波動を狙わない、ということになります。逆張りLoveの管理人にとっては、トレンド転換時の第一波動はよくダマシに合う場所となります。
ダブル・エレメント・システムでトレードすれば、トレンド転換と思ってエントリーしたけどトレンド転換せずに損切になった・・・、という事態を随分減らすことができます。
③損切が明確
既に損切がしっかりできる中級者以上のトレーダーにはそれほどメリットにはならないかもですが、ダブル・エレメント・システムは損切位置が明確です。
ダブル・エレメント・システムの方向が逆になったら損切、以上です。これを守ることで、大きなやられはまずなくなります。FXで大きく負ける場合、損切をズルズル先延ばしにした・・・、というケースが多くを占めます。ダブル・エレメント・システムは損切ルールが明確なので、ズルズルと損切を後ろにずらすことはありません(ルールに従うことが前提、ルール通りにトレードできないのはメンタルや取り組み方の問題です・・・)
ただし、マニュアルにもありますが、損切はダブル・エレメント・システムが折り返す手前に置くのが本来のルールです。ただし本来の損切位置で切れなくとも、ダブル・エレメント・システムが折り返したら損切、という絶対的なルールを守ることで、大怪我することはなくなります。
ダブル・エレメント・システムのデメリット
欠点の無いトレードシステムやインディケーターなんぞはありません。ダブル・エレメント・システムも当然のようにデメリットが存在します。ダブル・エレメント・システムのデメリットとしては、
①使うのに慣れが必要
②トレンドの方向性は自らで判断すべき
③獲得できるのは10pips程度
という点があげられます。
①使うのに慣れが必要
ダブル・エレメント・システムはローソク足チャートを利用するトレードシステムではありません。よってこれまで見慣れていないチャートを利用することになります。
これまで利用していないチャートでトレードすることになる訳で、当然慣れる必要があります。P&Fの場合、エントリーできるのは決まった時間だけ、というルールがあるのでエントリー判断が簡単なのですが、ダブル・エレメント・システムは目の前で動くチャートを元にエントリーの可否を決める必要があります。
慣れるのにそれほど時間がかかる訳ではありませんが、何せ今まで見たこともないチャートを相手にする訳なので、使うのには慣れが必要です。使うという以前に、見慣れる必要があります。
見慣れると何てことはありませんが、まずは慣れることが大切です。
②トレンドの方向性は自らで判断すべき
ダブル・エレメント・システムのみでトレードが可能、というのがそのコンセプトです。
しかしながら、トレンドの方向性は自らで判断すべき。というのは、そのコンセプトを否定してしまうことになるのですが、やはり足元のトレンドはダブル・エレメント・システムで判断するのは当然として、もう一枚自らのトレンド判断も入れるべきでしょう。
ダブル・エレメント・システムだけで往復ビンタのリスクは随分と下げられます。ただし“トレードで勝つ”という観点では、もう一歩進んで自分なりの相場の方向感を持った上でダブル・エレメント・システムを利用すべきす。
自分なりの相場観を持つ、という観点ではダブル・エレメント・システムの上方部分に表示される、平均足スムーズド3本を利用したトレンド把握は非常に使えます。平均足スムーズドを利用して、自分なりに掴んだトレンドの方向とダブル・エレメント・システムの方向が一緒になった時のみエントリー、王道的にはこんな使い方となります。
トレンド把握の方法については、自らの確立した方法があるなら、それを使ってもOKです。
チャートの上部には時間足で平均足スムーズド3本が表示されトレンド判定に利用する
③サイン通りの売買の場合は獲得できるのは10pips程度
スキャルっぽくトレードするなら何ら問題ありませんが、ダブル・エレメント・システムでサイン通りに入り口から出口までトレードすると獲得できるのは10pips程度です。
大きな波動であっても、取れるのは10pips程度、コレを許容できるかどうかはトレーダーの性格によります。スイングトレードから来ている管理人はコノ部分がどうも合わない・・・。やはり20~30pipsは欲しい、と何も考えずにやっていると負けます・・・。
ただし平均足スムーズド3本を利用してトレンドを把握することで、デイトレードのように利益を20~30pipsまで伸ばすことは可能で、マニュアルにも解説がなされています。本部分は特に使いこなしや裁量が必要となる部分ですが、せっかくトレンドの把握が分かり易いダブル・エレメント・システムなので、利益を伸ばす部分の試みも是非試していただきたいと思います。
決済について既に自分なりの考え方があるようなら、そちらを利用することで、十分利益を伸ばすことができます。
METEOチャートに類似のダブル・エレメント・システムだがロジックは別物
ダブル・エレメント・システムは以前当サイトでも紹介しているMETEOチャートに類似のシステムです。
METEOチャートにも類似というより、見た目は同じダブル・エレメント・システムですが、チャート自体は同等ですがロジックは別物、です。(開発者に確認済み)
METEOチャートより使い勝手は優れており、尚且つMETEOの良さはそのまま残されています。
関連記事:メテオチャートをトレンド判断で実践的に使用する
METEOチャートの画像
METEOチャートとダブル・エレメント・システムの異なる点
一見すると同じに見えるMETEOチャートとダブル・エレメント・システムですが、ロジックは別物であり様々な部分がMETEOと異なっています。
そんな中で管理人が特に感じている両者の相違点は、トレード回避ロジックが進化している、という点です。トレードって、最終的にはトレードしない努力が必要、と感じている管理人にとって、トレードしてはいけない部分を明確に教えてくれるダブル・エレメント・システムの特徴は、他のシステムやインジにはない大きな優位点と考えています。
FXトレードはエントリーしてはいけない場所を見つけることができれば、勝率をグッと上げることができます。ダブル・エレメント・システムのトレード回避ロジックは、簡単に言えばトレンド転換時の第一波を避ける、です。トレンド転換と思いきや、ダマシに合って損切・・・、そんな経験は誰しもあります。逆張り派にとっては日常茶飯事ですが、ダブル・エレメント・システムはトレンド転換時の最初の波動を取りにいきません。そこが徹底されています。
METEOの場合、なぜここでトレードNG?、という場面が生じることもありましたが、ダブル・エレメント・システムはトレード回避の場所は非常に明確です。
ダブル・エレメント・システムならルールに基づくトレードが行い易い
トレードは最終的に淡々とルールに基づいてトレードすることが、勝ちの積み上げに繋がります。システムトレードのように機械的にガチガチなルールと言うより、大きな方向性やファンダメンタル要因等を踏まえた上で、ルールに基づいてトレードする、そんなイメージではないかと。
そのルール作りが大変な訳ですが、ダブル・エレメント・システムであればトレードのルール作りは比較的簡単にできます。
①エントリーポイントは明確
②決済及び損切ポイントは明確
③ただし平均足スムーズド等で裁量で相場の方向判断はしたほうが良い
上記で①②があるので明確なルールに基づいたトレードが可能です。あとは③をどうするか、ここは自分で試行錯誤するしかありません。
導入するだけで100%勝てるトレードロジック=聖杯なんてありませんよ。第一他人にとっての聖杯は、自分にとっての聖杯とは限りません、トレーダーそれぞれにタイプがあるため、トレードシステムはトレーダーに相性があります。そこは自分でオリジナルの聖杯を作り上げる努力が必要不可欠です、その努力なしではダブル・エレメント・システムに限らず、FXトレードで勝つことはできません。
ただしダブル・エレメント・システムは売買ルールが明確なので、聖杯を作り上げる近道とはなりえます。ここの部分はガンバッテください。
その他の疑問点など
Q.リペイントするのか?
A.リペイントしません。リペイントしないので過去検証もそのままできます。
Q.最適な時間足は?
A.ボラティリティベースのチャートなので、時間足という概念自体がありません。チャートをセットする際に、好みの時間足で設定できますが、ダブル・エレメントのチャート自体に時間足は何ら影響は与えません。上部に表示される平均足スムーズド3本の表示が時間足に応じて変化します。
Q.損切幅は?
A.通常は15pips前後、裁量で損切幅を広げることも可能ですが、チャートが折れ曲がる約30pips以上逆行したら、何が何でも損切することが必要。ココが結構大切で、チャートが折れ曲がったら悪い事言わないので何も考えずに損切するほうがよいです。その後、戻ってしまったらいつも以上のボラティリティが発生したとして、素直に諦めましょ。多通貨の監視でエントリーチャンスはまずまず発生しますので
Q.対応通貨は?
A.全通貨ペアが対応しています。ただしボラティリティが激しい通貨ペアは上下に振れまくって、勝てる気がしません。利用はドルストレート通貨とクロス円程度に留めるのがベターです。ポンドを対象とするかどうかは、お好みでどうぞ。管理人はポンド触っていませんので。
関連記事:まだポンド(GBP)で消耗しているの?FXでポンドで負けるなら、トレードしないこと
Q.必ず勝てるシステムなのか?
A.お決まりですが、必ず勝てるトレードシステムなんぞありません。聖杯は売ってません、自分で作り上げるものです。ダブル・エレメント・システムを購入して、そのままサイン通りにトレードして勝てる、という甘い考えなら、やめておきましょ。ただし使いこなすことができれば、トレードの大きな武器になります。
最後に
どんなツールでもそうですが、こんなツールで勝てるのか?、という不安があって当然です。寧ろその不安が無いようなら、まだ全然FXの怖さを知っていない初心者の段階と言ってよいでしょう。
不安がある、と言うことは、FXの怖さが分かっている証拠なので、トレーダーとして成長の余地がありますよ。
FXトレードで勝ち切るためには、自らのトレードルールの確立が必要不可欠です。ダブル・エレメント・システムならエントリーから決済までトレードルールが明確であり、ルールに基づくトレードの確立の近道となります。
ただしそうとは言ってもダブル・エレメント・システムでのトレードでも、自らの試行錯誤は必要不可欠。ダブル・エレメント・システム購入したらスグに常勝トレーダーになれる、という考えは甘すぎます。管理人も多くのFX商材購入してきましたが、そんな商材やツールはないですって、ホント。そんな甘い考えを持っているようなら、根本的に直す必要がありますよ。寧ろFXをやめた方が損を積み上げることが無くなります、厳しい話ですが。
ただしダブル・エレメント・システムはルールが確立されている分、自らの試行錯誤は随分と少なくて済むので、FXトレードの新しい第一歩を踏み出すことは十分可能です。
慣れるのに若干時間を必要としますが、十分トレードの利用価値のあるダブル・エレメント・システム。特にトレードルールが確立できずに何となくトレードを続けてしまっている方、トレードルールを作っても守ることが出来ずに損を積み上げている方にお勧めです。
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