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FXや株で有名なテクニカル指標と言えば、ボリンジャーバンドの名前を外すことはできません。ボリンジャーバンド(ボリバン)をチャートに表示させている方も多いのでは?

ボリバンを表示させて、それで勝っているなら問題なし。多くの人が表示させているから・・・、と漫然とボリバンを表示させている方に一言。ボリバンの本当の使い方、ご存知ですか?

実は一般的に知られているボリンジャーバンドの使い方、本当は正しい使い方じゃないんですよ、というお話をご紹介させていただきます。

ボリンジャーバンドとは?

ボリンジャーバンドって、何故だかFXトレーダーに人気のあるテクニカル指標です。考えてみれば、裸のローソク足チャートって、トレードのとっかかり何もありません。MACD等を表示させても、サブウィンドウに表示されますが、メインチャートにトレードのとっかかりになるテクニカルって、有名所で言えばボリンジャーバンドや移動平均線くらい。(ATRバンド・ケルトナーチャネルがよい等の中級者の方は下記をどうぞ)

関連記事:逆張りのお伴に、ATRバンド(ケルトナーチャネル)が使える件

ローソク足と合わせてトレードのとっかかりに使うという観点では、ボリバン>移動平均線。そんなこんなでボリバンを表示させている方も多いのではないかと。だって、ボリバンのラインをローソク足が超えたら逆張りやラインを超えたらエントリーって、非常に分かり易いですから。その意味では、メインチャートにトレードのとっかかりを表示させようとしてボリバンを表示させている、というのはある意味では理に適った行動と言えます。

管理人もそー言えば最初の頃は、何も考えずにボリバンを表示させていました。そんなボリバンですが、一般的には下記のように説明されています。

ボリンジャー‐バンド(bollinger bands)→テクニカル分析の方法の一。チャート上で、移動平均線の上下に標準偏差の値の線を引いて作成する。上下の線は、その内側に値が収まる確率が高いことを示すので、値が線を越えることを、内向きに反転するサインとする。[補説]1980年代に米国の投資家ジョン=ボリンジャーが開発。株式や為替の変動予測に使われている。「コトバンク」

とまぁ、こんな捉えられ方がされています。

ボリジャーバンドのラインの内側に相場は90%以上収まっている???

ボリバンのラインは1σ、2σ、3σとありますが、要はこのラインの内側に相場が収まる確率が高い、というのが一般的なボリバンの考え方。このラインの内側に相場が収まる確率は下記のように証明されているそうです。

・±1σに収まる確率 = 68.26%
・±2σに収まる確率 = 95.44%
・±3σに収まる確率 = 99.73%

なるほど~、じゃぁバンドの中で逆張りすれば勝てるじゃないか、と普通は考えますね。3σの中に収まる確率99.73%であれば、そりゃ3σのライン付近で逆張りすれば、理論上は勝てるってもんです。

ボリバンを表示させて、普通にトレードしている方で、上記の確率をそのまま信じている方は殆どいないのではないだろうか・・・。

ボリバンのラインで反転するハズが、反転せず外に出たらそのまま行ってらっしゃい。そして戻って来たときにはヒドイ含み損・・・、そんな経験を多くの方がされているのでは?

恐らく確率統計としては正しいのでしょうが、相場で確率統計はそのままでは使えません、という典型例ではないかと。管理人もこのボリバンの考え方で随分とやられました。

実はボリバンって、一般的には上記のような使い方で捉えられていますが、本当の使い方は違うんですよ、これが。

ボリンジャーバンドは本来ボラティリティを計測するためのツール

実はボリバンは本来、相場のボラティリティを計測するためのツールです。

相場は「スクイーズ(停滞)→イクスパンション(爆発)」の繰り返しという考えに基づき、スクイーズの場所を探すために作成されたツール、それがボリンジャーバンドです。そんな訳で、ボリンジャーバンドはラインの内や外での逆張りとか順張りとかは意図されていなくて、相場のボラティリティを測るのが主目的。

ボリバンが縮小していれば相場はスクイーズ、ボリバンが膨らんでいればイクスパンション。その中で、スクイーズをいち早く見つけて、次に来るであろうイクスパンションに乗るためのツールなんです。

だから一般的に言われているボリバンの〇σに当ったらエントリーとか決済とかって、実は厳密に言えば本来の使い方ではありません。

15.11.12ボリンジャーバンド-min

ボリンジャーバンドの欠点、ボラティリティは計測できるが方向は分からない

本来のボリバンの使い方は、相場のスクイーズを見つけて、次に来るイクスパンションに乗るためのもの、と上記で説明しましたが、実はこの本来のボリバンの使い方には大きな欠点があります。

それは・・・、スクイーズ→イクスパンションのタイミングは分かるが、相場の方向は分からない!、というもの。

よしスクイーズを見つけた、もうすぐイクスパンションが来そうだからエントリーするか。けどちょっと待て、買いor売り、どっちに入ればいいんだ???ハイ、これをボリバンに聞いても分かりません。八百屋に魚のことを聞いても分かりませんよ・・・、そんな訳で入る方向は別途自分で考えてください、そんな感じです。

確かにスクイーズでトレードのタイミングが分かるのは助かりますが、入る(トレード)の方向が分からなければ、入りようがありません。無理してボリバンのラインを使って入る方向を考えることも可能ですが、ボリバンのラインを一旦上に抜けてから本命の下に行く、というボリバンをだますような値動き、これも頻繁にあります。だからボリバンを使って方向性考えるのは、個人的にはオススメしません。

トレードで入る方向は、複数の時間足を見てトレンドを判断する等で、別途編み出すしかないかと。え?トレードで入る方向が分かれば苦労はないって、そうそこがボリバンの本来の使い方が知られていない理由じゃないかと、管理人は思っています。

15.11.12分からない-min
相場がどっちに行くのかは分かりません・・・

ボリンジャーバンドの本来の使い方が知られていない訳

本来のボリバンの使い方、相場の次の方向が分からないから、正直非常に使いづらいんです。

自分で相場の方向は判断できるからエントリーのタイミングを教えてくれるツールを探している、なんて人は相場の中級者以上。どっちに入ったらいいか分からないから、日々トレードは悩みが尽きない訳ですから。そう考えると、確かにボリバンの本来の使い方、トレードのタイミングを測る、という観点では非常に有用なツールではありますが、実は中級者以上に向けたツールと考えられます。

そこで何とかボリバンを初級者でも使えるように・・・、と編み出されたのが今普及しているボリバンの内部のラインをベースとして使い方ではないかと。勝手な想像ではありますが、そう考えると結構合点がいくんです。テクニカルマニアの管理人、ボリバンでない別のボラティリティを測るツールを過去よく見ていましたが、コレが便利だけど実トレードに役立たないんです(笑)。おーっ、そろそろ相場が動きそうだな、けどどっちに動くの???やってること、初心者と全く変わりません・・・。

何気にこれまでボリバンを、〇σのラインで順張りや逆張り、という観点で見ていた方、一度ボラティリティを測るツールとしてボリバンをご覧になってください。恐らく、これまでに無かった発見がありますので。恐らく、ボリバンの本来の使い方を知らないままボリバンを使っているのと、知った上で使っているのとで、トレードに対する意識の差が出てくると思います。

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間違っていても多数が同じ使い方をしていれば正当化されるのが相場の世界

テクニカル指標って面白い所があって、たとえ使い方が間違っていても、その間違った使い方を多くの人がしていると、それが正しくなる=その使い方が効いてくる、という世界でもあります。

代表的なのは「窓」。窓は埋めないことも多いですが、埋めることも多いです。窓なんて、別に埋めても埋めなくても相場的には関係ありませんが、窓は埋めるもの、と考えている人が非常に多く、だから窓が埋まることが多い、という部分は一面の真実です。
 
この「窓」と一緒で、ボリバンをσのラインをベースに順張りや逆張りで使う方法、確かに本来の利用方法ではありませんが、初心者だけでなくプロも含め、これだけ多くの相場関係者がボリバンを本来とは違う利用方法をしていれば、ボリバンもそれに沿った動きになってくることもあります。

簡単に言えば、相場も長いものに巻かれます!

少なくともボリバンをボラティリティを測るツールとして見ている方より、σのラインをベースにトレードしている方の方が多いですよね。そーいうことです。

しかしこの、皆が同じモノを見ている、という部分がまた難しい所で、そこに罠をしかけてやれ、と思う方々も当然いる訳で、そこが相場の一筋縄ではいかない所。この辺りはダウ理論に似ています。皆が知っているから、簡単には効かないという。詳しくは下記のダウ理論の記事をご覧ください。

関連記事:FXはダウ理論だけでは勝てない2つの理由

ボリンジャーバンドの原著を読んでみる

皆が知るような手法に罠をかけている傾向が多い(と思います)為替市場。確かに一般的なボリバンの手法が通用することは否定しませんが、折角ボリバンを利用するなら本来の使い方も知っておきたいもの。

幸いにしてボリンジャーバンドは作成者のジョン・ボリンジャー氏が健在であり、ボリバンの本はパン・ローリングからも日本語で出版されています。

この本にはボリバンの世間で言われている利用方法は書かれていません。ホント、驚きますよ。ボリバンはボラティリティを測るためのツールだったのか、ということがよーく分かります。

極めつけは「基本原則15条」の最後の15条のお言葉。

バンドのタグ(=ライン)は、タグ以外の何物でもなく、ましてシグナルではない。ボリンジャー・バンドの上部バンドのタグは、それ自体では売りのシグナルでは「ない」のである。また、ボリンジャー・バンドの下部バンドのタグはそれ自体では買いのシグナルでは「ない」のである。「ボリンジャーバンド入門」

ボリバンの作成者はバンドのラインを単なる線としか見ていません。衝撃的ではないかと。

ボリンジャーバンド・フィボナッチを使うという手もあり

ボリバンの一般的な見方、多くの方が利用しているので効くことも多々あります。本来の使い方じゃないからダメ、というつもりは毛頭ありません。けど騙されてしまうことが多々あるのも事実。

もしこれまで通りのボリバンの見方にこだわるのであれば、ボリンジャーバンド・フィボナッチ、というテクニカル指標もあります。

これはボリバンのラインの計算数字にフィボナッチ級数を利用したものです。管理人はトレード手法の試行錯誤の期間にしばらく利用していました。今は利用していませんが、普通のボリバンに比べ逆張りの成功確率は高かったです。

ボリンジャーバンド・フィボナッチを使いこなせた訳ではありませんが、ボリバンにはこんな亜種もありますよということで、ご紹介だけ。(MT4のインジは検索するとすぐ出てきます)

15.11.12フィボナッチボリンジャーバンド-min
ボリンジャーバンド・フィボナッチは表示させるとこんな感じ

ボリバンの実践的な使い方が学べる「ボリンジャーバンドとATRでダマシを除去する独自手法」

ボリンジャーバンドの実践的な使い方を解説した「ボリンジャーバンドとATRでダマシを除去する独自手法」という教材があります。ボリバンの実践的な使い方が動画で、独自の設定方法も紹介されながら解説されています。なるほど、こんな見方もあったのか、と新しい発見もあります。

実際に使えるボリバンの使い方について分かり易く解説されており、ボリバンの使い方をもう一歩踏み込んで知りたいなら「ボリンジャーバンドとATRでダマシを除去する独自手法」をオススメします。

ボリバンの実践的な使い方を知ることで、相場が動くタイミングに合わせた効率的なトレードが可能になりますよ。

16.9.7ボリンジャーバンド教材
関連記事:加速する相場をキャッチ!ボリンジャーバンドとATRでダマシを除去する独自手法

ボリンジャーバンドのまとめ

ボリンジャーバンドって、非常に不思議なテクニカル指標だと思います。FXから株、先物まで、これだけ色々な所で使われていながら、実は本来の使い方があまり知られていないテクニカル指標って、他に殆ど無いのでは?

恐らく、本来のボリバンの使い方だけであれば、相場の方向は分からないという欠点から、ここまでメジャーなテクニカル指標になっていなかったと考えられます。

そう考えると、現在広く普及しているボリバンの利用方法を編み出した方は、ボリバンの開発者と同じくらい、テクニカルの歴史に足跡を残した方、と言っても過言ではないかと。

ボリバンの本来の使い方と普及している使い方、この2つを知るとテクニカルの面白さと不思議さの両方を感じることができます。

もしボリンジャーバンドを一般的な見方しかしていないのであれば、一度モノは試しでスクイーズ→イクスパンションのタイミングを測るツールとしてボリバンを眺めて見てはいかがでしょ?ボリバンを通じて、新しい相場の姿が見えてくるかもしれませんよ。

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