FXに指標発表はつきもの。それこそ、毎日ニュージーランドから始まって何かしらの指標発表があります。一番有名なのは毎月第一金曜日にある、アメリカの雇用統計。月に1回のFXのお祭りですね。
そんな指標発表、逃げるばかりが能ではなく、戦略的に利用する方法を考えてみます。
概要
FXでは指標の確認は必須
FXトレードで指標発表の日時の確認は、長めのスイング派でも短めのスキャルピング派でも必須です。
指標発表を知らずに、トレードして急にレートが動いたと思ったらアメリカの雇用統計の発表だった・・・、何て経験をお持ちの方も多いのでは?指標発表の日時、知らずに続けると命取りになりかねません。
トレード前にその日の指標発表の内容と時間の確認は必須。
その日というより、月曜の朝や日曜の夜に、その週の指標発表について、大まかなものは頭に入れておいたほうがベターです、本当は。
何はともあれ、指標発表を知らずにFXトレードするのは、サンダルで富士山に登るようなもんです。登山するのには事前の準備が必須ですが、FXにおける指標発表の確認は、山の事前準備のイロハのイにあたります。
FXの主な指標発表
指標発表、アメリカの雇用統計から始まって、実は様々な指標があります。下記が代表的な為替が動く指標。
- 雇用統計(アメリカ)
- 雇用統計(オーストラリア)
- ADP(アメリカ)
- 小売売上高(アメリカ)
- FRB議事録発表(アメリカ)
- ドラギ総裁の会見(ヨーロッパ)
- 突発的な要人の発言等
要人の発言は、いつ発生するか分かりませんが、①〜⑤はいつ発表されるのか、事前に分かります。指標発表について記載のあるサイト、管理人は下記を見ています。
FXCM指標発表カレンダー
ただし探せば、指標発表のサイトは結構あります。ZAIのサイトも結構有名ですね。
ジブリの法則って、雇用統計の日とジブリ作品放送日が重なるだけ
テレビでジブリ作品を放送する時は為替が大きく動く、というジブリの法則。コレは指標発表で説明がつきます。
ジブリ作品を放送するのは、基本的に金曜日の夜。そして為替が大きく動くこようとうけいは第一金曜日の夜に発表。そして第一金曜日にジブリ作品を放送すれば、ジブリの法則発動!、という訳で理屈は簡単。
ジブリの法則だー、と騒ぐのは簡単ですが、理屈を知ってしまえば、何だそんなことか、という理由。要は、知っているか知らないかだけの問題。そしてFXトレードをするなら、特に雇用統計の発表日時を知らない、というのはありえない世界です。
セオリー的には指標の前後はポジションを持たない
FXのトレードセオリーとしては、大きな指標発表の前後はポジションを持たないのが正解。特にアメリカの雇用統計はその代表例です。
折角プラスになっているポジション、指標発表前ならプラスで利益の確定しましょー。含み損なら、大怪我する前に損切りするのが、ベター。
そして次にエントリーするのは、少なくとも指標発表の30〜1時間後。指標発表後、しばらく市場が荒れることが多いので、少なくとも次のエントリーは市場が落ち着いてから。え?待っていられない?大丈夫ですよ、相場は逃げていきません。それこそFXは休日以外は24時間トレード可能ですから。
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指標を戦略的に見てみる、値動きのゴール地点
訳の分からない動きをする、と言われる指標発表時のFXの値動き。ただし全部が全部訳の分からない動きかといえば、多くの指標発表時の値動きを見ていると、値動きが読める時もあります。
よくあるパーターンは、ずーっと同じ方向に進んでいたトレンドが指標発表を契機に、トレンドが反転するというパターン。それと、それまでレンジ相場が続いていたのが、指標発表を契機にトレンドに入り相場が動くようになるパターン。
特に後者は結構見ます。この状態、先に気付けば、指標発表まではトレードやめて指標発表後にトレンドの方向に入っていく、というトレード戦略を取ることができます。
こんな観点で指標発表を見ると、トレードのタイミングを測るツールとして、指標発表が使えると思いませんか?
確かに雇用統計の様な大きな指標発表をまたぐようなポジションを取るのはリスクが大きいのですが、指標発表前後=ポジションを取らない、というある意味で思考停止状態から少し前進して、その通貨ペアがどんな値動きが予想されるか指標を基点に考えてみる、という視点、いかがでしょ?
テクニカル分析とかフィボナッチ分析といった相場分析テクニック、実は値動きの分析はできますが、相場のタイミングを測るという観点ではいずれも実力不足。そんな相場のタイミングを測るツールとして指標発表は使えます。ただし相場なので100%はありえませんので、ご注意を。
この指標を基点に相場の動きを予想するという方法、自分自身の相場感を養うのにピッタリと管理人は考えています。数学の問題を解くのに補助線引くのは必須ですが、為替相場を考える上で、指標発表という補助線は無くてはならない存在と考えています。
指標発表時、FX会社のスプレッドの広がりに要注意
雇用統計等の大型の指標発表時は言うに及ばず、通常の指標発表の際でも、FX会社によってはスプレッドがドッカーンととんでもなく広がる時があります。通常であれば2〜3pipsのスプレッドが、指標発表前から指標発表後しばらくは、20〜30pipsのスプレッドが広がっている時があります。そして気付くと損切りさせられていた・・・、という経験は管理人も有しています。
大型の指標発表の際は30分前にはポジション閉じるからいいとして、通常の指標発表は結構悩ましいですね。スキャルピングならもう指標の前に入らない方がベター、スイングならそのタイミングは損切りを外しておくのは手段としてはあり。
ただし根本的には、雇用統計のような大型の指標発表さておき、通常の指標発表時はそんなにスプレッドが広がらないFX会社でトレードするのが、一番気分的に楽ではあります。
少なくとも、自分の使っているFX会社が指標前後にどんなスプレッドの状況になっているのか、把握しておくべきではあります。
指標発表を為替市場を俯瞰する補助線として捉えてみる
FXトレードをで通貨ペアの価格が上がるかor下がるかというのは、テクニカル分析やフィボナッチ分析等、色々な手法があります。一方で、通貨ペアがどのタイミングで動くのか、とか、どのタイミングで反転するのか、というタイミングを捉えるツールってナカナカありません。
そんな把握の難しいFXの値動きのタイミング、実は指標発表で補助線を引くことができます。あー今のトレンド相場、○○の指標発表が値位置的にゴールになりそうだから、指標発表前まではポジション持っておこう、といったように。
指標発表を基点として為替市場を俯瞰するという考え方、相場観を養ったり、相場シナリオを考える際、非常に重宝すると考えています。
まとめ
基本的には大型の指標発表をポジション持ってまたぐ、というのはオススメしません。
ただし指標の前後はノーポジとばかりに、指標発表=思考停止、とするのも少々勿体無い。そんな指標発表、一歩踏み出して為替相場の値動きを読むためのツールとして利用することも可能では?
相場なので当然100%の正解はありません。ただしFXの値動きのタイミング、実は指標が大きく作用していることも多いので、一度指標発表を値動きのタイミングとして、チャートを眺めてみてはいかがでしょ。
値動き中心のテクニカル分析等のチャートの横軸の分析に加えて、タイミングというチャートの縦軸の分析、という新しい視点が得られるかもしれませんよ。
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