中国の株価暴落で世界の金融市場が大荒れ。為替市場も8月24日(月)は大きな変動がありました。
為替市場は不思議なもので、何かが売られれば、何かが変われるという相対性の世界で成り立っています。今回の為替市場の大嵐、豪ドルとNZドルが売られて、ユーロと円そしてスイスフランが買われた、というのがその要因。
中国の人民元は為替市場に登場していませんが(人民元は海外に持ち出せません)、中国株の暴落は連想ゲームからか、中国と経済的な結びつきが強い豪ドルとNZドルに大きな影響を与えたようです。
概要
為替市場を質量保存の法則で考えてみる
何かが買われれば何かが売られる、というのが為替市場の世界。全通貨一斉に大暴落ということがないのが、株と為替の大きく違う所。株は今回の中国株の暴落で、一斉に大きく値下がりしました。そして、この相対性がFXトレードの一番面白い所と管理人は思っています。
この相対性の状態から、仮に為替市場で流通している通貨量を一定と仮定すると、何かが買われれば、何かが同じ数だけ売られます。この質量保存の法則的な仮定、賛否両論ありますが、個人としてはあながち間違いではない、と感じています。
mt4のIndexes_v7Lというインジケーター
mt4にIndexes_v7Lというインジケーターがあります。このインジ、各通貨ペアをそれぞれの通貨単体に分解して、その通貨単体が売られているのか、買われているのかが分かるインジケーターとなっています。
USD、AUD等々、通貨単体が売りか買いか、どちらの方向に向かっているかが分かります。
例えばドル円(USDJPY)だと、USD↑+JPY↓、だと勢いよくUSDJPYは上昇(円安)します。仮にUSD↑+JPY↑だとUSDJPYはレンジ相場というか停滞します。(この辺りの考え方はまた別途記事を作成します)
そしてこのIndexes_v7Lでもって先日の大混乱の為替市場を見てみます。
尚、似たインジにkuチャートがあります。Kuは各通貨単体の流れに興味ある人にとっては名作と言わざるを得ないツールです。ただしIndexes_v7Lのほうが、使いやすいように感じます(基点を自由に返れるので)。ちなみに管理人はIndexes_v7LとKuチャート両方使っています。
先週から豪ドルが売られユーロが買われていた
Indexes_v7Lを見ると、市場の混乱が発生前の先週から既に、豪ドル(AUD)が売られ、ユーロ(EUR)が買われていたことが分かります。
尚、オレンジがAUD、赤がUSD、緑がNZD、そして青がEUR、黄色がCHF、白がJPYとなっています。
そして今週に入りAUDだけでなくNZドル(NZD)の売りが追加。更に日本円(JPY)とスイスフラン(CHF)の買いも追加。
今回の金融市場の混乱、こと為替市場に限って言えば、売られているAUDに加え、猛烈な勢いでNZDも売られた。それに伴って、EURとCHFとJPYが買われた、というのがその実像。
実は今回の為替市場の混乱、米ドル(USD)は若干売られはしましたが、売られた通貨の主役ではありませんでした。USDJPYが8月24日(月)の夜に猛烈に売られましたが、USDが売られたのではなく、JPYが猛烈に買われた、というのがその背景(USD→+JPY↑↑↑)。いかにJPYの買われ方がすごかったか、ということが分かります。
売られたAUDとNZDと買われたEURとCHFとJPY。この組み合わせの中で、最もよく動いたのは、メジャーな通貨ペアではAUDJPYということになります。
通貨の流れは簡単には変化しない
各通貨の流れは簡単には変化しません。さすがに8/24(月)の晩はセリング・クライマックス状態で、その後各通貨供に反転していますが。
通貨の流れは簡単に変化しない、と考えれば、AUDが売られていたのは先週後半からなので、それが分かっていれば少なくともAUD絡みの通貨ペアを買うようなことは避けられます。ただし8/24(月)にあそこまで急に市場が動くとは誰も読むことはできませんが。
Indexes_v7Lで各通貨の流れを見るのが面白い!
Indexes_v7Lをトレードに生かせれば最強と思います。残念ながら、管理人は色々と試行錯誤をしていますが、いまだコレという応用方法は見つかっていません。
ただしIndexes_v7Lで為替市場を眺めるのはとっても面白いです。これ程、たとえ後付であれ為替市場の動き(流れ)を的確に説明できるツールはなかなか見つかりません。(Kuチャートでも構いませんが)
FXチャートをずーっと見ていても基本的に飽きが来ない管理人。Indexes_v7Lがあればもう鬼に金棒。儲かるかどうかは別問題、というのが少々寂しい所ではありますが、Indexes_v7Lのチャート見ているのホント面白いと思います。
まとめ
今回の中国株暴落に端を発した為替市場の混乱、Indexes_v7Lを使って、そのメカニズムを説明してみました。
だからどうした?、と言われると、Indexes_v7Lは以前記事にしている、過去解釈系のツール的使い方ですが、為替市場をこんな風に通貨の流れで見るのって、面白くないですか?
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また為替市場で大きな動きがあった時は、Indexes_v7Lでそのメカニズムを解説してみようと思います。