トルコリラで異なるFX会社のスワップレートを利用して、スアップアービトラージができます。第一印象としては、コレはスゴイ、と思いました。
しかしよーく考えてみると、トルコリラには流動性リスクが付き物です。相場が急変したときに、決済したくても決済できないリスクがあります。2015年のスイスフランショックのような事件が発生すると、トルコリラのスワップアーブは大損するリスクがあります。
スワップアーブという一見手堅い投資に見えますが、トルコリラを扱うということには違いないので、通常のスワップ投資と同様、過度なリスクを取ることなく、投資資金の一部で行うことをオススメします。
概要
トルコリラでスワップアービトラージができる!
トルコリラについて調べていたら止まらなくなってしまい、けど調べるほどレバレッジかけて投資するもんじゃない、という結論になりつつある今日この頃。結局のところは、なくなっても痛くない資金にレバレッジかけずに投資元本忘れてスワップをもらい続けるのがいいんじゃないか、という結論になりつつあります
そんなこんなでトルコリラについて調べていると、今はトルコリラの業者間スワップアービトラージができるんですね。知らんかった。業者間のスワップアーブもその昔、ホンの少し人気になりましたが、そもそもそんなに儲かるものではなかったので、そんなに有名にはなりませんでした。
ただしそれをトルコリラでやればローリスクでスワップポイントがもらえる訳で、これはいいなじゃないか、と思いました。昨年原油とCADでアーブを色々やっていましたが、アーブは面白いです、やはり。
何名もの方がブログでトルコリラのスワップアーブの解説や取り組みをされていて、トルコリラの人気を再認識できました。結構な金額をトルコリラのスワップアーブに投資している方もいて、けどアーブならそんなにリスクはないかな、と思ったものの若干の違和感が・・・。
何となくですが、アービトラージ経験者としてはトルコリラのスワップアーブについて、違和感があったんです。そしてその違和感の招待を少し時間見つけて探ってみました。
関連記事:アービトラージ取引始めました、約半年で原油とCAD取引の形ができた
忘れちゃいけない流動性リスク
もし仮にUSD/JPYでスワップアーブがしっかりできたら、それはもうもろ手を挙げて賛成します。けどトルコリラ/円?何か違うんだよなー。
そしてフト思い当たったのが、スイスフランショックの急落。あーあれだわ。
為替市場はファンダメンタル要因の急な発生で一気に値動きが生じます。ただしEUR/USDやUSD/JPYのようなメジャーな通貨なら、急な動きが生じても新規注文が通らない、という事態は少なくとも生じません。要は売買したい時に、いつでも売買できるという安心感があります。
しかし2015年に発生したスイスフランショックの際は、投資家は損切り注文を入れていたにも関わらず、USD/CHF、EUR/CHF等のスイスフランがからむ通貨ペアで、損切り注文の執行が流動性の問題でなされず、投資家は大きな損失計上を余儀なくされています。USD/CHFは管理人もタマにトレードしますが、USD/JPYを除けばクロス円通貨よりも取引量の多い通貨ペアです。そんな通貨ペアでも、流動性の問題から損切り注文が執行できずに気付いたら大損・・・、そんな事件がつい4年前に発生しています。
・スイスフランショックはアッという間の出来事(USD/CHFの日足チャート、画像はTradingView)
トルコリラのスワップアービトラージのリスク=買いポジが決済されないリスク
スワップアービトラージは、売りポジションと買いポジションを同じ価格で持つので、基本的には保有ポジションは値動きに対してはノーリスクとなります。
ただし途中で一方向のトレンドが発生すると、確かに合計ポジションの損益には変化はないものの、レバレッジの関係で片方のポジションの損が耐えられなくなってきます。両建てOKのFX会社でスワップアーブができればその問題はありませんが、同じ業者の同じ通貨ペアで売りと買いのポジション立てると、普通スワップはマイナスになります。スワップアーブはいかに支払いのスワップ金利の低い業者を見つけるのか、という部分が肝の部分ですので。
そんな訳で、売りポジと買いポジの両方に同じ価格で損切りを入れておくのが王道。一定の金額で損切りになっても、全体の損益自体は一定なので再度ポジションを立て直せば同じことができます。
これが本当に機能すれば、トルコリラのスワップアーブは恐らく最強に近い投資方法です。第一印象としては、今は環境的に特殊な状況(売りポジのスワップが低く抑えられている等)からこんなのが機能するんだろうな、と思いました。
年利10%以上ノーリスクでまわるなんて、基本的にはおかしい。どこかの時点でFX会社のスワップレートの変更があってなくなってしまうんじゃないかな。
けどね本質的なリスクとしては、相場の急変が発生すると、トルコリラのような流動性のない通貨は事前の損切り注文が執行できる保障はありません。よって入れたはずの事前の損切り注文が入らずに大きな損失を計上してしまうリスク、を最初に考えるべきではないかと。
そう考えると、トルコリラに買いポジションでレバレッジかけてスワップ投資するのと、両建てでスワップアーブするのと、本質的なリスクは程度の差はありますが、そんなに変わらないカモ。確かにジワジワとトレンドが発生する際ならスワップアーブはリスク管理が効きます。けど一気に来るとホントに機能するのか?、という不安が管理人はぬぐえません。
スワップアーブも資金の全力投入は控えるべき
そんないつ発生するか分からないリスクにビクビクして投資なんぞできるか、と言われれば仰る通り。だからリスク管理するんですよ。100万円の投資資金があって、全額スワップアーブに投入していると、イザという事態が発生すると一気に大きく損失を計上します。両建て取引だから、最悪でも逆のポジションは生き残ることにはなりますが。
ただし問題なのは、スワップアーブは通常のスワップ投資に比べてリスクは低い、と思って投資する方が殆どです。だから結構な金額を投資できてしまうんですよ、ココが結構な問題。そんなリスクが低いはずの投資で、一気に資金を失ってご覧なさいって、そのダメージは計り知れません。トルコリラのスワップ投資はリスクはあるよね・・・、と分かってやっている方が多いので、仮にやられても仕方ない・・・、と資金及び心の準備も出来ています。これが何の準備なくやられてしまうと、ホント資金的・精神的ダメージが大きいです。ついでにいうとトレードで精神的ダメージが大きいと、ツイツイ取り返そうとしてバクチを打ちに行って、更に傷口を広げるパターンが王道。下手すると投資資金全額なくしてしまいます。
株クラスターだと今の投資家の中心はリーマンショックを知らない世代が中心のようですが、為替クラスターはスイスフランショックを知らない世代が多いようです。両者いずれも入れ替わりが激しい訳ですが、スイスフランショックを間近で見ていた身としては、イザと言うときの流動性問題を考えると、トルコリラのスワップアーブは一般的に言われている程リスクが低いようには思えません。
いいんですよ、危険が察知できてスグに逃げられるなら。スワップアーブは逃げても別に損は発生しないので。けどそんなにトルコの政治経済事情分かりませんって、また中東がスグお隣にあって、いつ何が発生するか分からない、という地政学リスクもトルコはあります。
トルコリラのスワップアーブを考え出した方には敬意を表したい気持ちはありますが、一方で各ブログを見ていると、流動性のこと考えてないよね・・・、というブログもあったりします。よって、スワップアーブといってもバッチリリスクのある投資手法ですよん、ということを当サイトではしっかりと指摘したいと思います。
トルコリラのスワップアービトラージするなら流動性リスクを知った上で行うこと
最初にトルコリラのスワップアービトラージの方法を見た時は、この方法があったかー、と驚きました。けど冷静に考えて上記のリスクを認識するに至りました。
確かに片張りのスワップ投資に比べると、リスクが抑えられます。けど事件等で一気にレートが動くと、その時点で片方のポジションがゲームオーバーになるリスクがあります。想定外の事態は株ではそんなに頻繁に起こりませんが。FXの場合2~3年に一回発生してもおかしくありません。スイスフランショックにブリグジットの国民投票日、そんな値動きがトルコリラに起こらない保証はありません、いや新興国通貨なのでそういったリスクは必ず踏まえる必要があります。だから想定外の事態は普通に考えておくべきリスクとなります。
管理人も飛びつきそうになったトルコリラのスワップアーブは、古典的な方法ですが、それ故に堅い投資手法です。しかしトルコリラという新興国通貨は流動性の低い通貨であり、スワップアーブは流動性リスクを踏まえることが必要不可欠です。
今後はFX会社のスワップ額の補正でなくなってしまう可能性もある、トルコリラのスワップアービトラージ、取り組む際はいざという時の流動性リスクをよーく認識して、それを踏まえた金額で行うべきではないでしょうか。
・スワップ投資を行うなら、100通貨からの少額投資が可能で比較的スワップポイントも高いマネーパートナーズがお勧めです。マネーパートナーズなら口座開設するだけで1,000円がもらえます。よって種銭ゼロでスワップ投資を始めることができます。まずは試してみたいという場合は、マネーパートナーズならノーリスクでスワップ投資を試すことができますよ。
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